【書評】『DIE WITH ZERO』をAudibleで聴いたら人生観がぐらついた話
こんにちは!
「老後のために、しっかり貯金しなきゃ」
多くの人が、そう考えて生きていますよね。僕も、もちろんその一人でした。将来への不安から、節約や貯蓄を意識しない日はないと言っても過言ではありません。
でも、もしその「常識」が、あなたの人生の可能性を狭めているとしたら・・・?
今回ご紹介するビル・パーキンスの『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』は、まさにそんな私たちの価値観を根底から揺さぶる一冊です。
「ゼロで死ね」
この衝撃的なタイトルに関心を引かれてAudibleで聴いてみたのですが、結果、新たな視点が開ける体験になりました。
今回は、この本が僕に教えてくれた「人生が豊かになりすぎる究極のルール」について、熱量高めにお話ししたいと思います。
そんなこんなで本題です。
「貯金は善、浪費は悪」という呪い
この本を読む前の僕は、まさしく「貯金は善、浪費は悪」という考えに縛られていました。
旅行や趣味にお金を使うことに、どこか罪悪感を覚えてしまう。「これは、将来のための貯金を減らす行為だ」と。
でも、本書を読み進めるうちに、ある根本的な問いに立ち返ることができました。
「自分は、何のためにお金を貯めているのだろう」と。
結局、お金は人生を豊かにするための「ツール」でしかない。それなのに、僕たちはいつの間にか、お金を貯めること自体を目的にしてしまっているのではないか?
この本は、そんな「貯金の呪い」を解き、人生の満足度を最大化するための、具体的な思考法を教えてくれる一冊でした。
僕の「お金の価値観」を変えた3つの教え
本書には、人生を豊かにするためのルールがいくつも書かれていますが、特に僕が「これは!」と思った3つのポイントをご紹介します。
1. 人生で一番大切なのは「思い出」という資産
この本の核心とも言えるのが、「経験に投資せよ」というメッセージです。
若いころにした経験は、その後の人生で何度も思い出し、幸福感をもたらしてくれる「記憶の配当」を生むと著者は言います。
例えば、20代で行った海外旅行の思い出は、30代、40代、50代になっても、友人との会話やふとした瞬間によみがえり、私たちを豊かな気持ちにさせてくれます。
一方で、お金は年齢を重ねてからでも稼げるかもしれませんが、若さや健康は決して取り戻すことができません。
「いつかやろう」と先延ばしにしていることは、本当に「いつか」できるのでしょうか? その「いつか」が来たとき、あなたはそれを最大限に楽しめる健康と情熱を持っているでしょうか?
この問いに、僕はハッとさせられました。
2. 「子どもに遺産を残す」の本当の意味
「子どものために、少しでも多くのお金を残してあげたい」
親なら誰しもがそう願うものですよね。でも、著者はここにも鋭いメスを入れます。
子どもが最もお金を必要としているのは、家を買ったり子育てをしたりする30代や40代ではないかと。
親が亡くなった後、60歳になった子どもが莫大な遺産を受け取っても、その価値は限定的かもしれない。それよりも、彼らが本当に助けを必要としているタイミングで、生前贈与というかたちでサポートするほうが、よほど価値があるのではないか?
これは、相続に対する考え方を180度変えさせられる視点でした。
3. 「ゼロで死ぬ」ための具体的な計画
この本は、ただ「お金を使い切れ!」とあおるだけの本ではありません。
自分の年齢や資産、そして将来の収入などを考慮して、いつ、どれくらいのお金を使えば、本当に「ゼロで死ぬ」ことができるのか。そのための具体的なシミュレーションの重要性を説いています。
無計画に散財するのではなく、自分の人生の価値を最大化するために、戦略的にお金を使っていく。
これは、単なる精神論ではなく、非常に現実的で、実践的な「人生の最適化戦略」だと感じました。
とはいえ、もちろん万能薬ではない
ここまで絶賛してきましたが、もちろん、この本の考え方が全ての人に当てはまるわけではないでしょう。
ある程度の資産があるからこそ言えることだ、という批判も確かにあると思います。
でも、僕が思うに、この本の一番の価値は、「私たちは、何のために生き、何のためにお金を稼ぐのか」という、人生の根本的な問いを私たちに投げかけてくれる点にあります。
この本をきっかけに、自分自身の人生とお金について真剣に考える時間を持つこと。それ自体に、大きな価値があるのではないでしょうか。
というわけで:Audibleで聴くべき「人生のコンパス」
『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』は、まさしくAudibleで聴くのに最適な一冊です。
著者の力強いメッセージが、日々の生活の中で凝り固まった私たちの思考を、少しずつ、しかし確実に溶かしてくれます。
もし、あなたが「将来のために」と、今の楽しみを犠牲にしている感覚が少しでもあるなら。
ぜひ一度、Audibleでこの本を聴いてみてください。
あなたの人生という船が、進むべき方向を示す「最高のコンパス」になってくれるかもしれませんよ。
では、また!